いよいよ公演当日まで3か月を切った10周年記念公演「神座-kamukura-」!

これを前にして、kagura広報班が「kagura 10年のあゆみ」を振り返っていきます!

 

まずチーム結成〜前半は、OG代表の忠太(2010〜2015年所属)が担当します!

各作品の紹介とともに懐かしいエピソード裏話なども公開!

kaguraファンの皆様だけでなく、これまでに少しの間でもkaguraの一員として関わってくれた皆さんにも、必見です☆

”神楽”のはじまり

”神楽”結成メンバーたち。何かやらかしそうな雰囲気をひしひしと感じます。

2009年9月6日(日)、チーム始動に向けて、第一回のチーム結成会議(という名の、とてもラフなただの飲み会)を開催。

代表の吉井を中心とした、約15人のメンバーで、ワクワク感溢れるスタートを切りました。

 

チーム名は、「神楽」。

当時は今のチーム名「kagura」ではなく、漢字で表記していたんですよ!

2年目から「ネット検索でヒットしにくい」「同じような名前のチームが多い」「オリジナルっぽくしたい」みたいな理由で変更した、、んだったと思います。笑

 

 

 

12月のバサラカーニバルを祭りデビューのイベントと決め、ひとまずは総踊り曲「騒乱走乱」にオリジナルの振り付けをして披露することに。

元々代表をはじめ、多くのメンバーが別のチームの卒業生だったこともあり、ワイワイと楽しみながら初披露のその日を迎えることができました。

デビュー以降は「騒乱走乱」を各地イベントで披露し、全力で楽しむのと同時に、やっぱり取り組みたい「オリジナル作品」の企画と、メンバー集めを急ピッチで進めていきます。

 

結成メンバーは前に所属していたチームでの経験・知識が背景にあり、それなりに踊れはするものの、チームとしてはどうしても人数が少ない!

少数精鋭で自分ができることを何でもやり、「カッコつけて楽しむ」ために全力投球していました。

そんな全力で楽しむ大人に魅力を感じてくれたのか、この頃に加入してくれた大学新入生や高校生は貴重な存在でした。

この頃の学生たちの多くは、大人のお兄さん・お姉さんになった今現在も、kaguraの重要なポジションで活躍してくれているんです。

kagura初のオリジナル作品「GOEMON」

「騒乱走乱」を6月に一旦踊り収め、2か月後の美濃源氏七夕まつりでは待望のオリジナル作品を初披露を果たすべく、作品を仕上げていきます。

代表の考える独創的すぎる意図を、臨機応変かつ瞬時にくみ取る初期メンバー、

毎回の練習で出てくる変更点を、少人数だからこそできる一人ずつの丁寧な指導で練習を重ねていました。

 

地方車は費用を抑えて「小さめトラック・手作り装飾」です。

 

初のオリジナル作品「GOEMON」の舞台は、豊臣秀吉が天下を治めた時代。

秀吉の悪政に苦しむ民を救うため、自由を求め戦った天下の大泥棒「石川五右衛門」がテーマです。

曲・振り付けに数多くのダンス要素を組み込み、どまつりではあまり見れられない独創的な作風にチャレンジ!

映画「GOEMON」を参考に

実はこのGOEMONという作品は、同名の邦画「GOEMON」に感化されて作られた作品です。

特に衣装に関しては映画そのままと言っても過言ではありません。

映画本編中でわずか数秒間しか登場せず人物名もない「遊女」の衣装を見て、当時のメンバーは「これだ!」とツボにハマり、ディティールを想像しながら原画を描きました。

(実は、この遊女の衣装デザインを担当した敏腕デザイナーはGOEMONから現在まで10年間変わることなく衣装製作に携わっています!)

 

対する男メンバーはと言えば勿論、主人公の有名俳優が演じた「石川五右衛門」がモチーフです。

こちらは自分たちでイチからデザインしました。

 

男の衣装は暑い夏にもかかわらずファーを縫い付け、一方の女性陣演じる遊女はちょっとやりすぎ?なくらい、露出度の高い衣装で個性を発揮させました。

ファーはメンバー内でも「意外とかっこよくない??」と好評で、その後の数年間の作品でも何かと登場します。

女の子の衣装に関しては、今着るのはもうとてもとても。。難しいかも知れませんね。笑

 

 

チーム活動全般に渡って、メンバー全員が若さと「やっちゃえ根性」が全開に発揮されていました!

作り立てのチームで制限なく「面白いこと」に取り組もうとする空気感があり、荒削りでも思いついたら即実行、でした。

初めてのどまつり出場を目指して。

どまつりでは今でこそ新規チームが「U40(40人未満チーム枠)」から参加することが多いですが、U40は確かこの頃にできた制度だったと思います。

 

審査を受けるための基準40人をぎりぎりでクリア!

地方車はみんなでデザインを考え、手書きで幕を書き上げ、完成!

あとは魅せる踊りをするだけと気合を入れ、欲張って名目上は「新人賞狙い!」で、念願のどまつりについに出場を果たします。

 

 

が、そんな思ったようには受賞ならず。。

ですが、もうとにかく参加できただけで達成感いっぱいです。

ファイナルステージは、いつかあそこ立ってやるぞ!と、羨望の眼差しでわきあいあいと鑑賞しました。

 

 

その後1年間、どこかで一回は何かの賞を、、、と、心のどこかで思いながらみんな参加していたのですが、そんなに上手くはいきません。

「賞を得ることのむずかしさ」はどまつりだけに限らず、以後翌年6月の犬山踊芸祭で踊り納めるまで、何の賞も貰うことはありませんでした

 

GOEMON踊り納め。沢山のチャレンジをした年でした。

2年目は、外からの評価がほしい、実績が欲しい!と全員が思っていました。

「やるからには、受賞にこだわる」という姿勢は、もうこの頃からチームの空気として存在していたんだと、改めて感じます。

 

2年目、オリジナリティのあるカッコよさを求めた「百鬼夜行」

下限の月の元、欲望の象徴「黒鬼」が率いる鬼の群れ。

人間の女を手中に収めようと、闇を駆け迫る鬼たち。

が、妖しくも艶かしい遊女の真実の姿を知る。。

 

人間の欲望を表現した作品です。

メンバーに求められるのは表現力、いかに鬼になりきるか、遊女として立ち振る舞えるか。

作品の中盤、鬼vs遊女の場面が見せ場です!

佐乃健介さんとタッグを組んだ初年度

地元名古屋で事務所を構え、幅広い音楽活動をされている佐乃健介さんに作曲を依頼。

この年から現在までお付き合いが続いている、kaguraの素敵な作品作りの大事なパートナーです!

 

 

実のところ、メンバーが当初考えていた「百鬼夜行」の素案では、もっとダークで激しい、おどろおどろしいイメージを持っていました。

受賞はしたい、でも自分たちの考えるカッコよさをやりたい。

そういうワガママで矛盾したような考えを持ちつつ、正直お客さんからどう見えるか?を想像するのはまだまだ適当だったのかも知れません。

 

 

そんなワガママな「こうしたい!」の素案を受け取った佐乃さんからは”やんわり”とたしなめられたような記憶があります。。

お客さんが置いてけぼりにならないような、でもこだわりはやる、そんな曲を仕上げてもらい「4分間のストーリー」が出来上がりました。

踊り手には思い切って踊りやすい、観客の方にも聞きやすい、そんなすわりの良い仕上げになっています!

衣装

遊女は昨年に引き続き、今度はへそ出し。それにきらびやかな法被を羽織っています。

対して、鬼たちの衣装はビリビリ

実は、新品のきれいな衣装を自らの手で切り裂き、ダメージ加工をしています。

洗濯後のアイロンなんてもちろん厳禁!

メイクのドーランでわざと汚し、個人個人が汚れた鬼を創り上げていきました。

 

 

鬼も遊女も全員わらじ

そして、何より注目してほしいのは足元!

全員がわらじです。雨でもわらじです。わらじシューズではなく、本気のわらじ。。

めちゃくちゃ踊りにくい上に、雨だと不快指数MAXなんです!!

そもそも元々の靴底では滑りすぎるため、スニーカー用の補修材を塗る作業を毎回行うのも欠かせません。

足に食い込む紐が痛い、、きっと表情作りにも役立っていたんだと思います。

必須の小道具「鬼面」

百鬼夜行は鬼がモチーフですから、もちろん全員が鬼面を使用します。

自分の鬼面は自分で。と全員で一斉に鬼面を作りました。

 

全て手作りなのでイケメン困り顔しゃくれてるあごなど、ひとつひとつ表情が違って面白い。

材料は紙粘土でなので、とにかく角がウィークポイントで頻繁に折れます。

イベント中の写真を見るだけで、祭りの”最初の演舞”か、”最後の演舞”かがわかるほどの損傷っぷりでした。

大旗登場!(注釈:ここからまだ未修正)

(注釈:写真が欲しいけど当時の旗の写真がない)

kaguraの作品のこだわりポイントでもある、大旗を登場させたのがこの年です。

隊列の一番後ろで、職人技と言っても過言ではない、自慢の大旗メンバーが演出を支えていました。

 

デザインはヤマモトナオキさんに依頼し、地方車のデザインも描いていただきました。

トラックの横全面にイラストを使い、装飾面でも斬新さを打ち出しました。

初めての評価

数々の新しい試みを身に纏い、たちはできると出場したどまつり。

見事審査ブロック2位通過でファイナルシード決定戦に進出し、奨励賞を受賞しました。

自分たちの方向性は間違っていないと自信がつき、他の祭りでも少しずつ認められるようになりました。

 

若手の成長

 

チーム運営は専ら代表と同世代のメンバーが担い、若い世代は先輩に従っていくトップダウン。

一方、学生チームではスタッフになって中心人物になっている同期がいる。

今後のkaguraの成長のためにも若手育成を意識し始めました。

ベテラン勢でなくてもできることはたくさんあると見つけ始めた若い世代のメンバー。
積極的に行動できるようになってから、さらに祭りが楽しくなったようです。
3月に踊り納める頃には、kaguraが楽しいというオーラが演舞にも表れて感動が増していきました。