『乱世に鳴り響く 和祿の鼓動』

乱世に生きる歓び 雲を掴めと憐れむ

兵は皆 夢こぞりて 

泰平の世へと続く

いざ 颯爽と踊る姿は 愛おしき人を想い

喧噪と静寂の間に 神楽人は願い込める

美しく輝く大地は 香しき色に染まり

新しく芽生える息吹を 神楽人は舞い紡ぐ

「作品がいい」以上の何かを目指して

自分たちの信じるかっこよさを追求した「稜威-弥榮-」でしたが、、、

2014年、「稜威-弥榮-」では2年連続でのファイナルコンテストに進出。

そして、今年は大賞を!と意気込んで挑んだファイナルコンテストでしたが、結果はあいにく準大賞にも届かず。。

メンバー一同、ここから先に一体何が必要なのだろう?と考え一年を過ごしてきました。

そんな中、一つのキーワードとして持ち上がったのが「愛されるチームになりたい」という言葉。

自分たちなりに「いい作品を作ればファイナルに行ける。その先に大賞もある。」と、そう信じて努力してきました。

でも、チーム結成から5年目を迎え振り返ると、作品のためにチーム内に無理が生じていたり、祭りやお客さんへの向き合い方という面での未熟さもあったと思います。

単にいい踊りをするというだけでなく、チームとしてさらに成長するために必要な「何か」を得るために漠然としながらも浮かび上がったのが、

「愛されるチームになりたい。自分たちメンバーからも、周りからも。」

という言葉だったのです。

”感謝”を込めた作品「和祿」

当時、男性メンバーはみんなこの法被が着たかった・・・!!

「和祿」という作品は、昨年の稜威-弥榮-でもテーマとして取り上げた「三英傑」のひとり、徳川家康公に焦点を当てた作品です。

天下泰平のために立ち上がった徳川家康公が、戦乱の世を戦い抜いた末に「和(平和)」という「祿(報酬)」を手にする、というストーリーを描いています。

特に、この「和」という一文字には「(人との)和・輪を大事にする」という、kaguraがチームとして目指すべきあり方も込めており、1年間を通して行動の指針になっていました。

中盤、大迫力の合戦シーン。

曲調の面では戦国末期の壮絶さが壮大なスケールで表現され、随所から「戦国武将や侍たちの勇ましさ」「戦いに赴く複雑さ、哀しみ」「壮絶な戦の熱気」といったものが随所から感じられます。

ボーカル3年目で磨きのかかったミイ

 

デザインによる数々の演出

衣装のメインカラーは赤と黒の裏表。

舞台上で東軍の徳川方・西軍の豊臣方(石田方)がせめぎ合う様子を表現できるよう、前後の向きで色が切り替えられる想定でデザインされました。

当時の衣装班メンバーは全員で同じ衣装を着たいという想いで、実は遊女も中に同じ衣装を着ているのはこの作品ならではです。

曲中後半、衣装替え後には全員が金ピカ衣装にチェンジ!

この金色法被の丈の長さも、「長くしたい、でも着膨れが気になる」という葛藤もありつつも、今の形に収まりました。

道具の面でも様々ありますが、トピックスとして「のぼり旗」、それに男性陣がラストに持つ「バチ」は特徴的です。

(このバチ、夜な夜な男性陣で集まって、木を削って作ったなあ・・・。おかげで想い込めて演舞できました。)

踊りも激しくスピード感があるので、腕力がかなり必要でした。

想像以上に筋力が必要な「バチ」

また、大旗のデザインもついに刷新!

それに二人体制になって表現の幅が大きく変化しました。

徳川の家紋「葵」がデザインされた新旗

 

ところで、「天下統一がなされ平和が訪れた様子」を表現しているサビ部分の後、なぜかもう一度曲調が激しくなります。

ここはこだわりポイントの一つでもありまして、徳川家康公の「二度といくさの世にはさせない」という強い決心を表しているからこその、ラストの激しさなんですね。

このシーンに登場する大幕には朝日に照らされた名古屋城が描かれていますが、実は名古屋城を築城したのは家康公なんですよ!

大幕・地方車には名古屋城が。ヤマモトナオキ氏デザイン。

関ヶ原の合戦後、勢力を維持していた豊臣方の武将らが大勢いる大坂方面への睨みを効かせるために築城されたのが名古屋城、、、

ということで、前述の「二度といくさの世にはさせない」のシーンとリンクさせているわけですね。

設定が細かい!!

どまつりに向けて

新加入メンバー向けの練習も取り入れました。

当然、どまつり大賞を目指していたのは紛れもない事実なのですが、それ以上に「自分たちがチームとどう向き合って取り組むか」ということに重きが置かれた夏でした。

単に頑張る、練習をするということだけではなく、気持ちの面を大事にして日々の活動に取り組みだしたのがこの時期です。

踊りの面では初披露の段階で周囲の歓声から「それなりにいい作品を作れたようだ」という認識もあったのが本音です。

でも、祭りへの参加の仕方として「もっとこうした方がよかったよね」とメンバー間でも口々に話し合いましたし、一人ひとりのメンバーがチームを動かしている実感を伴うようになってた実感があった覚えがあります。

それと今振り返ってみても、カッコ良さという面では翌年の「下天」の方が人気があるように思えますが、思い入れの強さという面で「和祿が印象深い。ターニングポイントだった。」と話すメンバーが大勢います。

どまつり一次審査パレード

どまつり当日においては、審査パレードも例年以上にきっちり噛み合い、3度目のファイナルコンテスト進出が決定。

あいにくの出番直前からの雨ではあったものの、それくらいには動じない「強い気持ち」を持ってステージへ臨みます。

3度目のファイナルコンテストへ。

ですが、なぜそうなってしまったのか。

何よりも大事なファイナルコンテスト、そのステージ裏で、今まさに出番というタイミングなのに大旗が一本ないことに気がつきます。

道具の数が多い私たちkaguraですが、道具の管理はしっかりしていたつもりでした。

大旗を長年担当してくれた大事なメンバーのラストステージ。

もはや取り返しのつかないタイミングでの失敗に、多くのメンバーが涙し、悔やみ、まだ甘さのある自分たちを自覚したのでした。

初の「準どまつり大賞」受賞。

とは言え、肝心の結果は「準どまつり大賞」

つまり2位、大きな前進を果たすことができました。

目標は大賞と言いつつも、発表された瞬間は全員の嬉しさが爆発したと言っても過言ではない喜び様でした!

 

準どまつり大賞!総踊り前のステージ裏にて。

どまつり後の活動

2015年は、他チームさんの節目となるイベントへ多く参加し演舞を披露する機会に恵まれました。

名古屋学生チーム『鯱』さんの20周年「鯱Fes!!」、半布里さんの「15周年記念祭」に参加。

まだ結成6年目のわたしたちにとって、想像できないくらい年月の歴史を積み重ねているチームの方々へ尊敬の想いと、わたしたちの今年のテーマ「愛されるチームにとは」について改めてこういうものだと認識させられました。

 

そして、何よりkagura初期メンバーの結婚式ラッシュ!

これ載せると怒られるかなー!笑

幸せのお裾分けをもらいながら余興をし、将来の結婚式に想いを馳せました。

チーム内イベント盛り沢山の一年!

チームとしてどうあるべきか、考え抜いた一年。

チームに愛着を持つと言う名目で、「自分たちが一番kaguraのことをもっと考え、好きになろう!」という時間を設けることにしました。

それが、今では恒例のキャンプファイヤー合宿です。

1泊2日で練習後キャンプファイヤーをし、(当時は)2日目は体育館で球技大会を開催しました。

まるで中学生、でも全力

キャンプファイヤーでは各グループで出し物を出したり、日頃ゆっくり話せないメンバーとの交流をすることで一層kagura愛を全員で深めました。

お酒を飲んだ代表からの熱く、長い話はいい思い出です。

キャンプファイヤーの一コマ。作ったの誰や!

こちらの写真は、kaguraはみんなが”FAMILY”だという結成当時の想いを込めて作ったものですが・・・「FAMI”R”Y」になっております。

当時これをつくったメンバーはミスではなく、意図的にkaguraの「R」だと言っておりました。果たして信じるかどうかはあなた次第です・・・。

 

チームの大きな転換点となった「和祿」と言う作品。

チームとして大きく成長した一年でした。

当然、この成長は次の作品へそのままのスピードで引き継がれていきます。

次回は(自分で言うのもなんですが)、kaguraで1番の人気曲”下天”です!

下天にも濃厚なドラマがあります。お楽しみに!

和祿、ファイナル進出発表の瞬間をとらえたレアショット。来年こそは大賞!