kagura 10周年特別企画「10年のあゆみ」 -第2回・3年目でファイナルを目指して-

初めてファイナルを目指した作品「遊女濃安都(ゆめのあと)」

尾張藩 第七代藩主・徳川宗春(むねはる)によって作られたとされる、芸どころ・名古屋。

質素倹約の時代に繁栄し、唯一、夢の都と呼ばれた名古屋の姿。

そして徳川宗春その人を表現しています。

民衆から慕われた宗春が公の場から消えた後、民衆達が宗春のことを想い、自らの力と芸で都を再び活気づけていったというストーリーで作品が展開していきます。

衣装替えに初挑戦し、民衆の気持ちが盛り上がるにつれて衣装も色彩豊かになり、派手やかなエンディングとなります。

さらに、ストーリーをわかりやすく直接的に表現するため、宗春公ソロパート用の衣装を作りました。

今の作品(神座)にも主人公用に別衣装がありますが、豪華なフル装備ですよね。

演舞の合間に着替えてメンバーを入れ替えたり、色がハゲないように取り扱ったり大変そうです。

遊女濃安都では法被のみの別注なので、お手軽に宗春へ変身できました。

 

「芸どころ」の表現

遊女濃安都のテーマである”芸どころ・名古屋”

芸の多様さを表現するため、大道具・小道具が数多く登場します。

全員が道具を巧みに操り、「自分を見て!」と自分たちの「芸」を披露し合う様子が作品の後半に繰り広げられます。

実際の練習でも道具別パート練習の成果を順々に披露し、良い点・まだダメな点などのアドバイスをもらうといった「見せ合うこと」をメニューに取り入れ、芸に磨きをかけていきました。

 

…と、ここで「あれ?」と思ったあなた!

よくお気づきになりましたね。そう。全員は道具を持っていないのです。

遊女以外の女の子は「笑顔」を武器(道具)に踊っています。

幻の道具「布」を検証中。。

実のところ、彼女たちも”布”を持つはずでした。

振り付けも、布を持つことを想定して映えるように考えてあります。

何度も試行錯誤をしましたが、衣装替えとの兼ね合いでうまく「出して仕舞う」ことができず、、、

やむなくお蔵入りになりました。

それでも彼女達は道具を諦めきれません。

いつか布が復活することを願い、自分達を「布パート」と呼び続けましたとさ。

大旗タイム

百鬼夜行の様子から、「うちの大旗は武器になる」と惚れ込んだスタッフ陣、大胆にも大旗を前面に出す構成にしました。

当時、ステージ上を暴れまわる大旗は独創的で、かつ簡単には真似のできないkaguraの特色を手に入れました。

効果は抜群で、大旗が激しく舞った後に歓声が上がったり、旗についての問い合わせをいただいたり。

そして、我がチーム自慢の旗士も個人的なファンを着実に増やしていきました♪

目指すは「どまつりファイナル」のステージ

遊女濃安都はkaguraとして初めて”どまつり審査”を本気で意識して作っています。

百鬼夜行でファイナルシード決定戦に進出し、その後の各地お祭りの審査でも少しずつ評価され始めていたことで、チームの勢いや団結力をメンバーの誰もが感じていました。

“豊川おいでん祭り”での初披露の際も好評で、少々、いやだいぶ調子に乗って自信満々で踊っていました。

メンバーの人数も十分に増え、本気で高みを目指そうと、エンジン全開!

練習合宿も春と夏の2回開催にして、しっかりと踊りこんでいきました。

いざ、勝負!

 

多くの道具類はきちんと整えた。

衣装替えの練習もした。声出しの練習もした。

「俺たちはできる」と自信を持ち、迎えたどまつり。

移動のバスが2台になる程の大所帯です。

各会場で演舞を披露していき、大きな問題もなく、至って順調。…だった。

審査結果発表の時間、全員で代表の電話が鳴るのを今か今かと待つ。…かかってこない。

みんなで祈るように待っていたが、かかってこなかった。

「ごめん。ダメだった。」

自信があったから、だけの理由ではなく、周りの方々からの高い期待を感じていた分、落胆は大きかった。挫折。

代表が涙を流しながら、ぽつりぽつりと今の想いを語った。

「負けたまんまじゃ、終われねぇんだよ!」

この言葉が、この後1年間の合言葉となり、長い一年をもう一度努力しなおそうという大きなモチベーションの源泉になりました。

また来年、もう一度!

各地でのイベント活動で

どまつりのファイナルステージへの夢は破れましたが、kaguraのことを応援してくださる方々が増えてきているのを、ひしひしと感じていました。

客席で私たちの演舞を待ってくださる方々、kaguraホームページの掲示板への応援投稿、ネット上にアップされた数々の写真すべてがありがたいことに着実に増えてきていました。

四日市よさこい祭りにて

そして、カッコつけて楽しんでいた私たちの背中をひと押ししてくれたのは、四日市よさこい祭りでの大賞受賞でした。

「大賞」という響きがただただ嬉しかった。

「審査員の独断と偏見で受賞チームを決定します」と謳っている審査でしたが、独断と偏見こそが、「強さじゃなく何か感動したから好き」と評価してくれるファンの存在を形にしていただいたように思います。

踊り納めで準大賞をいただきました

どまつり夜桜in岡崎では強豪チームがそろう中、準大賞を頂き、みんなが笑顔になる気持ちの良い踊り納めとなりました。

 

以上、第二回でした!来週の第三回をお楽しみに!!